シンプルという個性 - 余白のある陶磁器の食器

シンプルという個性 - 余白のある陶磁器の食器

陶磁器で有名な多治見市。その多治見で2014年から陶磁器の製造と販売を行っている3RD CERAMICSは、大手メーカーでも個人作家でもない第3の陶芸のあり方を模索している。

お客様が商品を使う瞬間を意識したプロダクト、それを実現するのは『シンプルという個性 』。そんな言葉がしっくりくる3RD CERAMICS

道具として、使い手にとって余白があること。
『例えば、お皿だったら、そのお皿のデザインがメインではなく、料理がのせられた時にどう見えるか。それを大切にしたいんです。』

3RD CERAMICSが商品設計を行う上で大切にしていること。これは、3RD CERAMICSの商品自体の存在感が良い意味で消えているということ。彼らの作るものは商品が完成した段階では”未完成”。

それを手にした人たちが、料理を盛りつけたり、花をいけたり、あるいは商品自体を部屋に置いたりした時に、初めて3RD CERAMICSのモノづくりは完成する。

あえて製品そのものに個性を持たせすぎない理由

多治見市陶磁器意匠研究所、という陶磁器の学校で出会った二人。その学校の卒業生として、外部の方向けに自分の作品を紹介する展示会で再会したのが、3RD CERAMICSの創業のきっかけとなった。

『周りの作家さんの作品と比べると、自分の作品はシンプルで目に止まりにくい』
『大量生産のデザインをする今の仕事は、自分のオリジナリティを出せていない』


3RD CERAMICSを始める前の二人が、その時の自分たちの仕事に対し感じていたこと。

それぞれが、そうした感情を抱きつつ再会した。何度か話し合いを続ける中で、個人作家が作る”作品”でもなく、大手メーカーが作る”量産品”でもない、二人ならではのモノづくり、を行いたいと考え3RD CERAMICSが誕生した。

普遍的なものを洗練させることで、使い方の自由度が高いモノづくりを行うことを決めた。この、使い手にとっての余白を残す、というモノづくりへのこだわりは、自分たちにしかできないこと、に向き合い続ける中で生まれた。

今では、多くの人が、3RD CERAMICSの商品の色んな使い方を、SNSで上げてくれるようになった。

 自分たちの家族や暮らしも大切にしたい     

『モノを作って売っているが、自分たちは暮らしを提案している。だからこそ、自分たちの家族や暮らしも大切にしたいんです。』

忙しい毎日を過ごしながらも、それぞれの家族と過ごす時間も大切にしている。3RD CERAMICSが目指していることは、できるだけ無理なく仕事をすること。

使い手にとっての余白を残すという考え方も、仕事と家庭それぞれの時間を確保するというスタンスも自然的。商品のデザインや形を考える時も、それぞれの生産方法を活かすことを大切にしているので、生産時のロスをなるべく抑えるよう考えている。

『自分たちのこだわりだけで作るのではなく、お客様にとって良いものを作りたい』

2人が3RD CERAMICSを始める前に感じていた、自分本位でのモノづくりに対する違和感や、その時々の感情や考え方などが、現在の理念へ反映されているのではないか。



無理なく、そして、あらがう事なく

この繰り返しの中で、3RD CERAMICSのモノづくりに対する価値観が形成されてきた。商品の良さ、はもちろんだが、長屋さん、土井さんの考え方やこれまでの生き方も含めて、3RD CERAMICSの商品の魅力に繋がっているのだろう。


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