高校3年生の6月に「souveniraroma」というブランドを立ち上げた高橋淳音さんは、2003年生まれの若い起業家。
神奈川県の川崎で生まれ育った高橋さんは、地元の柑橘類を使ったアロマを作っている。
高橋さんへお話を伺う中で感じたのは、しなやかな人柄の中にある強い意志。そんな高橋さんが、香りに込めた想いとは何なのか。
やるってなったら、とことんやりたい
高橋さんは、とにかく好奇心が強い。そして、自分が面白いと感じたことは、とことん突き詰めるタイプだ。
「小学校の時にみたテレビドラマの影響で、化学が好きになりました。特に毒物とか劇物とかにも興味が強かったです」
小学校6年生で毒物劇物取扱責任者の資格を取るためのテキストを買って勉強を始め、中学生の時に試験に合格した。
「いろんな事に興味がある。興味を持つとまずやってみる。違うなと思えば離れるけど、ハマると、とことんやりたくなるんです」
その根底にあるのは、現状の自分に満足したくないという強い意志。
「中学校に入ったばかりの頃、あまり勉強をしてなかったので、父から塾に入るように言われ、塾に通いました。その時、周りには頭の良い人がいて、『自分って大した事ないんだな』って思ったんです。そこから徹底的に勉強して、成績もよくなりました」
20歳の今、保有している資格は9つ。興味の幅の広さだけでなく、それぞれに対して深く学ぼうとする姿勢は、良い意味で常軌を逸していた。
良いモノを広げたいという純粋さ
そんな高橋さんがアロマに興味を持ったのは小学校の時。
「母にプレゼントしたアロマを借りて、夜寝る時に使ってみたんです。そうすると、いつも寝つきが悪いんですが、その時は、スッと寝ることができたんです」
それをきっかけに、自分で精油を買ってきて、香りの調合をするようになったという。
「趣味で10年くらいアロマをやっていた時に、父から『新しい会社を作るんだけど、何かやりたいことがある?』と聞かれたんです。それがきっかけでアロマ作りを事業としてやることになり、souveniraromaが生まれました」
アロマ作りにおいてのこだわりは、「上質な香り」と「使いやすさ」。
「精油を作らずに仕入れている会社も多いと思うんですが、うちは精油から作ってます。精油から作った方が香りが良いんですよね」
手間をかけて丁寧に作った”香り”を、高橋さんが届けたいと思っている人とは。
「アロマを使い慣れていない人にも、『良いんだよ』ということを知ってもらいたい。なので、スプレーの形式にして、アロマを知らない人でも使いやすいようにしています」
自分が良いと思ったものを広げたい、その想いの強さが高橋さんが作る商品の細部に宿っているのだと思う。
香りに込める感謝と想い
「学生で起業しているからという理由だけで褒められることもあるんです。でも、やるだけなら誰でもできる。難しいのは、成果や結果を出すこと。それを褒めてもらえると、すごく嬉しいんです」
これまで、高橋さんは強い意志で成果を出すための努力をしてきた。
根底にあるのは、父への感謝と尊敬。
「やりたいことを、やらせてもらえているのがありがたい」
- そんな高橋さんが「souveniraroma」を通じて実現したいこと -
「香りって、記憶との関係が深いんです。その香りを感じた時のシーンや状況を思い出しやすくなる。なので、souveniraromaを使った時に、贈ってくれた相手のことを思い出してもらえると嬉しいです」
高橋さんが地元の柑橘類で作るアロマは、違和感のない自然な香りの中に、”柑橘”をしっかりと感じさせる。高橋さんの自然体でしなやかな人柄と想いの強さが反映されたアロマだと感じた。