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カート

カートが空です

変化を楽しむ<br> -融合から生まれる陶磁器雑貨-
タイルの生産量が日本一の岐阜県多治見市笠原町で、タイル製造などを展開している杉浦製陶株式会社。そこで自社ブランド「SUGY」で陶磁器を使った様々な雑貨商品を展開している杉浦さん。温もりと優しさを感じる陶磁器時計は、杉浦さんの変化や融合を自然体で楽しむスタンスが表れていた。


会社という“軸”の存在 

杉浦製陶の2代目社長のもとに生まれた杉浦さん。幼少の頃から社員と日常をともに過ごし、アットホームな雰囲気で接してくれる社員の方々の存在から、杉浦製陶という”会社”の存在を常に感じていた。

野球選手になろうか、先生になろうか、子どもの頃は色々な将来を想うこともあったが、
「それでも育ててもらった”軸”というか、感謝とか恩のようなものがあったんですよね」

この工場、この会社を守っていきたい、いつか恩を返したい、そんな感情は成人しても変わらなかった。

 

WIN-WINを楽しむ

それでも、修行して自分の意見が言えるようにと、大手建材メーカーの仕事に就き、姫路で働くことに。大きくはない営業所だったので、新入社員でも多くのことを任せてもらい、自分が図面に起こしたことが形になっていく経験は楽しかった。

「夢中で自由に仕事させてもらって。クレームも多い仕事でしたが、楽しかったですね。一緒に問屋さんの売上が増やせれば僕たちの売上も増やせる、という考え方は、今のモノづくりの考え方の根っこになってますね。どちらかがWINじゃなく、一緒に大きくなっていくのが強いよね、と」

話を聞くと非常に大変な仕事に感じるが、苦も楽に捉えて、色々な方と融合して仕事をしていくことを本当に楽しんでいた。

ただ常に杉浦製陶のことは気になっており、「3年を節目に」と思っていた矢先、父親の体調が思わしくなく、会社の状況も良くはなかったため、「戻ってきてほしい」という声もあった。自分が戻っても良くなる確約があった訳ではない。それでも幼少から感じていた恩、また父親を心配する気持ちもセットになって、杉浦製陶への入社を決意した。

 

人とものが一体となり、得られる変化の実感

最初の1年は現場をしっかり覚えたうえで、先に入社していた従兄弟と一緒にリバイバルプランをつくった。いわゆる構造改革、コストカット、無駄を絞っていったが、そこから新たな仕事も獲得。個別性が高く手間がかかる案件も獲得していくようになり、やがて、それが「杉浦製陶にしか出来ないもの」に成長していった。「変化がある日々って、毎日が学園祭の前夜祭のような感覚で、面白いんですよ。そして、目に見えたり手にしたり、”五感のあるもの”で何か良い方向に変わっていくのが楽しいし、嬉しい」

逆境の中でも、自分でアイデアを起点に「モノづくり」の中で様々な利害のある人が協力して生まれる変化を、杉浦さんは幸せという言葉で表現されていた。

 

釉薬の素晴らしさを生活雑貨で届ける

貿易に絡む仕事の中で、海外タイルメーカーにも触れた。

「海外と日本でのタイル製造の違いは、釉薬の付け方。海外はプリンターのようにやってるので綺麗にできるが、日本は昔ながらの製法で何回も塗り重ねるので”奥深さ”が出るんですよ」そんな日本ならではの釉薬の良さを手軽に味わっていただけないか、と「SUGY」ブランドを立ち上げ、生活雑貨に取り組んだ。

「壁にかけたり床に置いたり、であればもっと手軽にタイルを味わってもらえる。でも、ただタイルを壁にかけても…。そこに時計の機能を加えたら、と」

そこから時計の部品メーカーも地道に探し、木製部分は杉浦さんらしく協力会社との融合から成り、SUGYとしての時計が生まれた。

そのSUGYの時計は、平面のタイルではなく立体での表現になるので、職人さんがひとつひとつ吹き掛けてつくっており、まさにひとつひとつに雰囲気がうまれる”奥深さ”が表現されている。苦難にも楽しみを見出し、”もの”も”ひと”も融合したモノづくりを楽しむ、杉浦さんの人柄が感じられる時計は穏やかさと温もりを感じる時計だ。