おごりなき感謝<br> - 心穏やかな香り -

おごりなき感謝
- 心穏やかな香り -

1830年に創業し200年近い歴史を持つ若林佛具製作所は、家庭用仏壇や寺院用仏具の老舗メーカー。本社を京都に置きながら、築地本願寺をはじめ、全国の寺院を顧客として抱えている。お話を伺った7代目社長の若林智幸さんから感じたのは、自分への厳しさと人への感謝。そんな若林さんは、時代の変化を見据えた挑戦をしている。その挑戦の中で生まれた「hito/toki」という商品(お線香/ディフューザー)に込められた若林さんの想いを感じてみてほしい。 

やるからには成果をあげたい

若林さんは、小学校に通いながら塾に通い、当時公立小学校では珍しかった中学校受験を行った。結果、無事に合格し同志社大学の附属の中学校へ入学。高校進学後はテニス部へ入部し、インターハイに出場。

「高校の時は、正月以外はテニスしかやってなかったです」

その後、大学へ進学した後は、体育会であるゴルフ部へ入部。

「中途半端にやるのではなく、よりレベルの高い人が集まるところでやりたいと思ったんです。体育会は厳しいし、理不尽なことも多かった。だけど、それが社会を覚えることにも繋がる」

なぜ、若林さんは自ら厳しい環境を選んだのか。

「ゴルフは他の団体競技と違ってお金がかかる。キャディのアルバイトはしていたが、親からやらせてもらっていた感覚。お金を無駄にしたくなかったから、やるからには成果をあげたかったんです」

伝統と歴史のある会社の息子として生まれた若林さんだが、その環境に甘んじることなく、自分に厳しく、成果にこだわることを大切にしながら、学生時代を過ごしてきた。

今まで通りに経営していればよかった時代は終わっている

大学を卒業した若林さんは、大手不動産会社を経て、若林佛具製作所へ入社。いくつかの部署を経験して、2013年に社長へ就任した。

「会社全体の数字を見るようになった時に、昔ながらのどんぶり勘定だと思った。どうやったら、これを改善できるかをずっと考えていたんです」

自分が入社した時点では既に、今まで通りでは通用しない時代の、難しい経営状況。当然、人のせいにしたくなることもあった。そんな時でも、若林さんが自責で捉え、前に進むことができたのは、”この家に生まれたという使命感”だった。

「若林佛具製作所は、社会に役立つ、存続すべき会社だし、会社には従業員はじめ関わる人々が多くいる中で、このままのやり方ではいけないと感じていた。今は”自分達がやってきたことが、これからの時代に合っているかどうか”が問われている。変化していかなければ生き残っていけない」

京都の伝統産業の一つである京仏壇・仏具業界の中では、いち早く仏壇のEC販売を始め、今の時代に合うオリジナルの仏壇を作っていくことを決めたのも、そうした危機感があるからだ。

 

人への感謝の気持ちを大切にする、これだけは絶対に変えないこと。

変えることや変わることを厭わない若林さんが、決して変えないものは何か。

「手法は変えても、精神的なものは変えない。精神的なものとは、人に対する感謝とか心を大事にするという、自分達の根底にある価値観のようなもの」
インタビューの中で、若林さんの口から、”人への感謝”という言葉が何度も出てきた。

「手を合わせる行為には、大切な人や自分を支えてくれている人への感謝という意味があると思う。自社の仏壇や仏具を通じて、家庭における手を合わせる場所と機会をより多く提供したい」

そのために、若林佛具製作所は、現在の居住空間やライフスタイルに溶け込むような仏壇・仏事に関する商品作りを行っており、その中の一つが「hito/toki」である。

若林佛具製作所のものづくりの根底にあるものは”決しておごることなく、人へ感謝する”という若林さん自身の価値観なのだと感じた。

「hito/toki」の香りを感じながら、自分の心の中にある”感謝の気持ち”に向き合ってみてほしい。

 

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